楽しく生きるためのブッダの教え

「ブッダの教え」を元にして、悩みや恐れなどのストレスを取り除き、残りの人生を楽しく生きるためのブログです。解釈方法は、哲学、脳科学、心理学、そして、直感によるものです。経典の直訳とは異なっていることをご理解の上お読みくだされば幸いです。

人生の苦の根本は、自己中心的な思考にある

 (無量義経説法品第二 訓読)
菩薩、無量義を修学することを得んと欲せば、まさに一切諸法はおのずから本・来・今、性相空寂にして、無大・無小・無生・無滅・非住・非動・不進・不退、なお虚空のごとく二法あることなしと観察すべし。


 しかるにもろもろの衆生虚妄にこれは此、これは彼、これは得、これは失と横計して不善の念を起こし、もろもろの悪業を造って六趣に輪廻し、もろもろの苦毒を受けて、無量億劫みずから出ずること能わず。


無量義経説法品第二 直訳)

悟りを求める修行者が無量義を修学することを望むならば、
この世に存在する有形や無形の一切のものはそれ自体その根本と経過と現在の姿において釣り合いが取れていて、宇宙の性質や有様全ての事物は実体がなくその本性は空であり、大きさもなく、小ささもなく、生じることもなく、死ぬこともなく、留まることもなく、動くこともなく、進むこともなく、後退することもなく、何も妨げるものがなくすべてのものの存在する場所としての空間があり、これ以外の法は無いと智慧によって対象を正しく見極めよ。

このため諸々の生命のあるものすべては、うそ偽りのように、これはこれであるとか、これはあれであるとか、これは得であるとか、これは損であるとか勝手気ままに計算して善くない思いを起こし多くの悪い行いをしてその業によっておもむく六種の世界で生死を繰り返し、いろいろな報いとして受ける心身の苦しみや災いを受けるのです。永遠に自ら抜け出すことはできないのです。
引用:法華三部経現代語訳

 

 この世の根本は実体のない「」です。
それなのに、私たち人間は、自分勝手に「これは、こうだ!」「あれは、違う!と決めつける。


どうしてだと思いますか?
人間の自己中心的な愚かさから出た「思考パターン」です。

失敗する時に多いのが、この自己中心的な思考によるものです。
自分が一番賢いと思っている(または自信がない)ために、いろんな見方ができません。


たとえばサイコロがあり、表の目が「2」であれば裏の目は「5」だと考えますよね。もし、裏の目が「3」や「0」だったらパニックになるでしょう。


そんなことは無いと思うかもしれませんが、ビジネスの場や人間関係では(想定外の出来事は)よくあることです。これが分かっていないと、自分の価値観やルールが相手には通じないことがあります。そのため、上手くコミュニケーションが取れない。


また、こんなこともあります。

過去の成功経験があると、社会の動きが見えなくなります。そのため、会社の売上が下降線をたどっていても、今までのやり方に執着します。

しかし、どれだけ努力しても、社会のニーズに合っていなければ、決して売上げを上げることなんて無理ですよね。

それでも、違うやり方が分からず、努力すればするほど空回りになり、ドツボにはまっていきます。

苦労から抜け出ることが出来ないのは、正しいことが見えなくなっているからです!


この経典(説法品)で説かれているのは、上手くいかない時には、思い切り「焦点を変えて見ろ!」ということです。


先ほどのサイコロであれば、表からだけでなく裏からも見る、横(左右)から見る、斜め上から見る、底から見る、サイコロを切断して内部を見る、サイコロを振って音を聞いてみる、、、
サイコロを振る人の感想を聞いてみる、サイコロを作る人と話してみる、、、

このようにして、サイコロ一つを取ってみてもいろんな見方ができます。

ビジネスでも同じで、今上手くいっている人を研究することが大事です。成功している人の考え方や方法。失敗している人の考え方や方法。すべてが参考材料になります。

そして、成功(幸福)している人たちのマネをすることで、より簡単確実に成功を手に入れることができるのです。


ブッダは、人の苦労を作っている「自己中心的な思考」を戒めています。