利他の精神を信じ実行する人を菩薩と呼ぶ!その功徳は計り知れない!
無量義経十功徳品第三の解釈です。現在語訳だけで理解できると思いますので、もし理解が難しい時には、何度も何度も読むとフッと分かりますよ。
菩薩からブッダに質問があります。
(菩薩)「この経典を学ぶとどのような功徳があるのですか?」
(ブッダ)「法華経を学び、大乗(利他の精神)を決断して実行する人には、次のような功徳がある。」と説かれます。
(直訳)
仏の言(のたま)わく。善男子、第一に、是の経は能(よ)く菩薩の未(いま)だ発心せざる者をして菩提心を発(おこ)さしめ、
慈仁(じにん)なき者には慈心を起こさしめ、
殺戮(せつりく)を好む者には大悲の心を起こさしめ、
嫉妬(しっと)を生ずる者には随喜(ずいき)の心を起こさしめ、
愛著ある者には能捨(のうしゃ)の心を起こさしめ、
諸(もろもろ)の慳貪(けんどん)の者には布施の心を起こさしめ、
驕慢(きょうまん)多き者には持戒の心を起こさしめ、
瞋恚(しんに)盛んなる者には忍辱(にんにく)の心を起こさしめ、
懈怠(けだい)を生ずる者には精進の心を起こさしめ、
諸の散乱の者には禅定(ぜんじょう)の心を起こさしめ、
愚癡(ぐち)多き者には智慧の心を起こさしめ、
未だ彼を度すること能(あた)わざる者には彼を度する心を起こさしめ、
十悪を行ずる者には十善の心を起こさしめ、
有為を楽(ねが)う者には無為の心を志さしめ、
退心ある者には不退の心を作さしめ、
有漏(うろ)を為す者には無漏の心を起こさしめ、
煩悩多き者には除滅の心を起こさしむ。
善男子、是れを是の経の第一の功不思議の力と名づく。
(現在語訳)
仏は言われた、仏法に帰依した男子よ、第一にこの経は巧みに未だ仏教に帰依しようという心を起こしていない悟りを求める修行者に菩提心を起こさせ、
情け深さがない者には情けの心を起こし、むごたらしく多くの人を殺すことを好む者には苦しみを救う仏の心を起こさせ、
嫉妬する者には他人のなす善を見てこれに従い喜びの心を起こさせ、
欲望にとらわれて離れられない者には欲望を捨てる心を起こさせ、
諸々の物欲が強い者には施しをする心を起こさせ、
おごり高ぶるもには戒を堅く守る心を起こさせ、
自分の心に逆らうものを怒り恨むものには侮辱や苦しみに耐え忍ぶ心を起こさせ、善行を修めるのに積極的でない者には雑念を去り仏道修行に専心する心を起こさせ、
諸々の煩悩のために心が乱れて不安定な者には精神をある対象に集中させる心を起こさせ、
心性が愚かで一切の道理にくらい者には智慧の心を起こさせ、
未だ他の人を悟りの境地に導くことができない者には他の人を悟りの境地に導く心を起こさせ、殺生、偸盗、邪婬、妄語、両舌、悪口、綺語、貧欲、瞋恚、愚痴の十悪を行う者には不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不悪口、不両舌、不綺語、無貪、無瞋、正見の十善の心を起こさせ、
因縁によって生じた一切のものを楽しむ者には生滅変化しない心を志させ、体の疲れや精神の挫けから仏道修業を止めようとする者には二度と再び迷界に退転しない心を起こさせ、
煩悩に迷って悟りを開く事の出来ない者にはすべての迷いを残らず離れ去る心を起こさせ、煩悩が多い者には煩悩を除き滅する心を起こさせます。
仏法に帰依した男子よ、これをこの経の第一の現世や来世に幸福をもたらすもとになるよい報いであり通念では理解できない力というのです。
引用:無量義経十功徳品第三 加藤康成
大乗(利他の精神)の教えを信じて実践した者が、この世の中のリーダーとなるのはもちろんのこと、何百年何千年先の未来においても、大乗の教えを後世に伝え実践する多くのリーダー(菩薩)によって、世界中に平和がもたらされます。
「すべての人たちが理解するには難しい話ですが、理解されたあなたにはリーダーになる使命がある。」とブッダは教えてくれています。