人の心を読むことが出来れば、人生の達人になれる！
ブッダの教えは、心の変化を見る目がないと、コミュニケーションが取れないという奥の深い話です。
コミュニケーションの術をマスターすれば、人生の達人になれるからです。
●訓読
法の相是の如くして、よく悪法を生ず。法の相是の如くして、よく善法を生ず。住、異、滅もまたまた是の如し。
菩薩、是の如く四相の始末を観察して、悉く遍く知りおわって、次にまた諦かに一切の諸法は念念に住せず、新新に生滅すと観じ、また即時に 生、住、異、滅すと観ぜよ。是の如く観じおわって、衆生の諸の根性欲に入る。性欲無量なるが故に説法無量なり、説法無量なるが故に義もまた無量なり。●現代語訳
ものの姿形は、このような場合には、悪い事象となって生じます。ものの姿形は、このような場合には、善い事象となって生じます。とどまることも、変化も、滅するのも、同じです。
菩薩よ。この様に、生じること、とどまること、変化すること、滅することの原因と結果を観察して、よく理解できたならば、次に、明らかに一切の現象は、瞬間瞬間に変化し、瞬間瞬間に生滅することを観察し、また瞬時に、生じ、とどまり、変化し、滅すると観察してください。この様に観察したならば、人々の様々な根性欲（機根・性質・欲望）の観察に入ります。根性欲は、人それぞれで異なりますから無量です。根性欲が無量であれば、その一人一人に応じて法を説く必要がありますので、説法もまた無量です。説法が無量ですから、その教義もまた無量です。
引用：無量義経説法品第二
この世の中に存在するモノは、すべて因縁から生まれ消滅します。それは、心も同じです。
たとえば、悪い事を考えていれば、その考えから悪い事が起きてきます。そして、様々な縁から更に悪いことが増えるかもしれませんが、時がくれば変化し、いずれ消えていくでしょう。
同じように、良い考えをした結果、良いことが起きますが、いつまでもその状態が続くわけではないのです。
この「諸行無常」が、この世の本質ということを理解していないと、誤った判断をすることになります。
昨日まで悪人でも、今日は善人かもしれませんし、昨日まで善人だった人が今日は悪人になっているかもしれません。
だから、人を判断する時に、その人の過去だけを見て判断すると、正しくコミュニケーションが取れません。正しく判断するには、今その時の相手（状態、思考）を観察することが重要です。
同じように、毎日自分の状態も変化しています。良い状態の時には良い判断（思考）ができるが、悪い状態の時には悪い判断（思考）になるので注意が必要です。
説法品で、ブッダはコミュニケーションの本質について述べています。
人と会話するときには、自分の心の状態を最高の善にして、目の前にある相手の心（状態）を感じ取ることが重要なのだと。
人間生活（仕事、家庭）で重要になるのは、人間関係（コミュニケーション）です。コミュニケーションの達人になる人が、幸福（成功）を得ることができるのです。
