「因果の法則」のホントの意味は?
甚深の十二因縁を降らして、もって無明・老・病・死等の猛盛熾然(みょうじょうしねん)なる 苦聚(くじゅ)の日光にそそぎ、
引用:蓮の道 無量義経 徳行品第一
要約すると…
悩める人のために、ブッダは奥深い真理である「十二因縁の法則」を説いた。
「人生の苦の原因は、真理を知らないことにある。」と苦から脱出する方法を教えました。それまで悩んでいた人たちは、十二因縁の教えを知ったとたんに、パッと心に希望の光がさしたのです。
十二因縁とは…仏教の真理中の真理「因果の法則」のことです。
十二因縁法。無明縁行。行縁識。識縁名色。名色縁六入。六入縁触。触縁受。受縁愛。愛縁取。取縁有。有縁生。生縁老死憂悲苦悩。
要約すると、人生の悲しみや悩みというものは、すべて「無知」から始まっている。ということです。
今の状態は、宇宙の大原則「原因と結果」を無視して、自分勝手な生き方をしたことによって、縁(人や条件)が引き寄せられた結果なのです。
もし、現状を変えたいのであれば、十二因縁のどの部分を直しても良いが、もっとも効果があるのは、原因を変えることです。(※他の部分は後ほど詳しく説明します。)
原因とは、何だと思いますか?
人が行動するのは、脳が指令を出すからです。思考することで人は行動しますが、その考えに影響を与えているのは、「感情」です。
生きている限り、人の本能(無意識)は「快楽に向けて動き、不快を避けようとする」のです。そのため、快と不快の感情が起きるのです。
しかし、快と不快の基準には個人差があり、同じことを見たり聞いたりしたとしても、受け取り方が異なります。
たとえば、ラーメンが好きな人と嫌いな人では、行きたい店は違いますし、自分と価値観の違う人の気持ちが理解できませんよね。
また、その時の状態(健康、感情)によっても、受け取り方は異なります。イヤなことがあっても、良い出来事があった後には許せるでしょう。ところが、上司からガミガミ説教されたことを妻に言ったところ、共感してもらなければ腹が立つかもしれませんよね。
このようにして、脳は性格だけでなく「状態」にも左右される。その結果、縁を呼び込み、人生まで左右されるのです。
ですから、現状を変えるためには、この「原因と結果の大原則」を理解して、生活の中に生かす必要があるのです。
そのためには、無明(無知)から脱しないといけません。